誇り高きカチーナ信仰から生まれた木彫りの人形

ズニ・プエブロは、ホピに並んで、カチーナ信仰を持つインディアンです。実際に、カチーナのお面やコスチュームを着て踊ったり芝居をするような儀式を今でも続けています。カチーナ・ドール作りは、フェティッシュ作り同様、彼らのカルチャーから発生した伝統工芸のひとつなのです。

このカチーナ・ドールの作者、Robert Cachini Jr. は、わかりやすく言うと、彼らの信仰の中心からカチーナ作りを任命された人のひとりです。彼のカチーナ・ドールはネイティブアメリカンの伝統工芸を集めたコンテストで優秀賞に輝く経験を持ちます。とはいえ、伝統のみに固執せず、近代的な空気も混ぜ込む彼の作風は、コレクターを魅了して止まないものとなっています。カチーナは主にコットンウッドを使い、彫刻を施したあと、天然染料で色づけしていくのだそうです。

こちらの作品は、ロングヘア・カチーナと呼ばれるもので、長い髪は雨を象徴するものだそうです。頭の上に花びらを現すように羽が飾られています。雨と植物、繋がりますね。乾燥地域では雨は恵の源なので、雨を象徴するものは尊ばれているのでしょう。お腹の部分は緑に塗られていますがブルーコーン。ブルーは西を象徴する色です。お天気も西から来ると考えると、調和の取れたコンセプトに仕上がっているように感じます。