アウル(ふくろう) [KateriQS_G]

哲学するふくろう

　　　　
このフェティッシュは、Kateri Sanchez の作品です。コレクターさんたちの間では知らない人はいないQuandelacy(クァンデレイシー)一族のひとりです。お母さんはGeorgea Quandelacy。84年に生を受け、9歳の頃から叔母のFaye Quandelacy の手習いでコーンメイデンを作り始めた早熟カーバーさん。実際、クアンデレイシー一族はみなさん早くからフェティッシュを作っていたようなので、彼女も例外ではなかったということになります。
　　　　
本格的に仕事としてのフェティッシュ作りに入ったのは21歳の頃。この頃から、数々の賞を取り始めます。中でも2015年のHeard Museumで行われたインディアンフェアでは、一等と二等を同時に取るという快挙を成し遂げたそうです。このHead Museum はインディアンアート系の博物館としてはとても有名で、手仕事をするネイティブの人たちにとって、ここで賞を取ることは、本当に勲章なのです。
　　　　　
この写真のフェティッシュは、ラブラドライトから生まれたフクロウです。クリクリっとした眼はマザーオブパールとジェットのインレイ(はめ込み)です。石の使い方も上手で、とても綺麗に出来ています。
どちらかというと、素朴でちょっと雑な感じの作りの多いズニフェティッシュが一般的な中、彼女の作品は、とても繊細で、ご本人のように、とても美しく仕上げられています(^^)。
　　　　　
日本では「不苦労」などと語呂合わせされ、幸福のシンボルとして人気のフクロウですが、多くのネイティ ブアメリカンにとってフクロウは、生命に対する深い 理解と、過去を見据えた上でこの世で生きて行くために必要な深い知識と智恵を持つ生き物と考えられています。また、北のスピリットである年長の賢者からの メッセンジャーでもあり、月のパワーを湛えたアニマルと考えられています。